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『アンヴィル!夢を諦めきれない男たち』

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アンヴィル!~夢を諦めきれない男たち~ [DVD]

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1984年、“SUPER ROCK’84 IN JAPAN”で初来日したアンヴィル
一緒に出演したボン・ジョヴィスコーピオンズホワイトスネイク、マイケル・シェンカー・グループの輝かしい活躍とはうらはらにアンヴィルだけはマネージメントに恵まれず、レーベルを転々としながら昼は給食センターと工事現場で働き、夜は細々とバンド活動を続けていた。
13枚目のアルバムの為の楽曲を書き上げた彼らは2ndアルバム「Metal on Metal」をプロデュースしたクリス・タンガリーズにデモテープを送るのだが…。
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基本的には「も~、何やってるんすか~っっ?(トホホ)」ってエピソードのオンパレードです。
感情的なリップスが冷静なロブに八つ当たりをして限界に達したロブが反撃、という、たぶんこの35年で100回以上勃発していると思われる喧嘩をプロデューサーであるクリスがまるで学校の先生のようにやさしく仲裁に入ったり、(「俺が悪かった~」と泣きながら抱擁して解決というオチも喧嘩と同数やってると推測)(それにしてもプロデューサーってこんな事までしなきゃならないのですか?大変だわ)1万人収容の会場で動員は170人だったロシアのロックフェスを筆頭にどこもかしこも悲惨な動員で、1円の儲けにもならなかった悪夢のヨーロッパツアーを経験してしまったためにラウドパークの会場である幕張メッセに入って「客が5人しかいなかったら」と何度も繰り返してたり。(映画内では2回言ってたので、実際には10回以上言ってると推測)(よっぽどトラウマになってると見た)

世間的な評価は非常に低く、20数年前に共演し、今はビッグスターになったミュージシャンには「誰?アンタ」的な表情をされ、メジャーレーベルのプロデューサーには渡したデモテープを聞いてもらったものの、1分弱で電源を落とされ「こういう音は流行じゃない」とばっさり切られるありさま。

それでも全然めげずに「‘長く活動を継続してる事はそれだけですごい事だ’って言われたじゃん!」「ロックスターになりたいんだよ!!」と常に前向きに物事を考える彼らの姿勢、家族や周囲の人達が絶対に彼らを見放さず、暖かく(時には身内ならではの厳しい)態度で接しているのを見て色々と考えさせられるものがありました。

彼らの生き様とか、音楽業界の悲喜こもごもがメインなので「メタル嫌いだから~」と言う人でも十分楽しめる作品だと思います。