『母なる証明』
ある朝、女子高生の死体が空き家の屋上で発見される。
捜査線上に犯人として名前が挙がったのが漢方薬局を営む母と共に暮らす29歳のトジュン。
強引な警察の取り調べ方法と知的な障害を持つ彼の曖昧な自供のまま彼が犯人と確定されるが、息子の無実を信じる母親はその証拠を探す為に奔走し…

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見た直後の一発目の感想は「ポン・ジュノ監督の作品と言えばそうかもしれないけど、ちょっと違う人の作品っぽいな」というものでした。
ストーリー構成とか、画面の作り方、臭いまで感じられる位リアルなキャラクター設定は監督らしいんだけど、母親の愛情から至った狂気さはパク・チャヌク監督の復讐3部作の外伝のようにも見えたし、宗教的とも思えるような、観念的なイメージはキム・ギドク監督の一連の作品につながるような気もしました。
作品としての出来はストーリー展開も俳優陣の演技を生かした演出もとてもすばらしくてとてもよい作品だと思います。
ただ、感情的な面だけを取ると母親の息子を追いつめるような息苦しくなる愛情とか殺された女子高生の暗い側面とか底辺とも言える階級でつつましく暮らす人が、エゴで社会的に抹殺される様とかがこれでもかと突きつけられてものすごく不快でやりきれない思いだけが強く残ります。
作品としては「高評価」、感情面では「最悪」な作品だな~と言うのが正直な意見なのですが、深くて強い問題定義をした作品と言う事を踏まえると作品としては成功だったな、監督にやられたな、とも感じました。
かなり見るタイミングを選ぶ作品です。
色んな意味で余裕がある時に鑑賞した方がいいと思います。
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